バイク グリップ交換のやり方|外し方とボンドの要否・工賃まで

バイク グリップ交換のやり方|外し方とボンドの要否・工賃まで

「グリップがベタベタして手が黒くなる」「ツルツルに摩耗して雨の日に滑りそう」と感じている方は、ハンドルグリップの交換時期かもしれません。グリップはゴムの消耗品で、劣化すると握力をよけいに使うようになり、操作の正確さにも影響します。

結論から言うと、グリップ交換は特別な専用工具がいらず、初心者が最初に挑戦しやすい作業のひとつです。ただしスロットル側(アクセル側)だけは構造が違い、失敗すると安全に直結します。この記事では、交換時期のサインから選び方、古いグリップの外し方、ボンドの要否、工賃との比較まで順番に解説します。

この記事の要点

  • ベタつき・ひび割れ・摩耗が出たら交換時期。年数ではなく状態で判断する
  • 買う前に「内径(22.2mm/25.4mm)・全長・貫通か非貫通か」の3点を現車で確認
  • 古いグリップは再利用しないならカッターで切るのが最速
  • スロットル側は樹脂パイプの上に被さっている。作業後の戻り確認は絶対に省かない

バイクのグリップ交換時期のサイン(ベタつき・ひび割れ・摩耗)

バイクから取り外したハンドルグリップとスロットル側の作業の様子
古いグリップを外すと、スロットル側は樹脂パイプが現れます

結論として、ゴムのベタつき・ひび割れ・表面パターンの摩耗のどれかが出たら交換時期です。

グリップのゴムは、紫外線や手の皮脂、経年による加水分解でじわじわ劣化します。劣化したグリップは握った力が伝わりにくく、滑りやすくなるため、ブレーキやスロットルの操作ミスにつながりかねません。

比較項目 状態の目安 対処
ベタつき 握ると手が黒くなる・粘つく(加水分解) 清掃で改善しなければ交換
ひび割れ 表面に細かい亀裂・端がめくれる 早めに交換
パターン摩耗 滑り止めの溝が消えツルツル 雨天で滑るため交換

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「まだ何年も使っていないから大丈夫では」と思う方もいるかもしれません。ですが、グリップの寿命は年数では決まりません。屋外保管や直射日光の当たる環境では劣化が一気に早まるため、年数ではなく上の表のような状態で判断するのが確実です。

交換用グリップの選び方(内径22.2mm/25.4mmと長さ・貫通/非貫通)

新しいグリップを買う前に、左右の内径・全長・貫通か非貫通かの3点を必ず現車で確認しましょう。ここを間違えると、届いたグリップが入らない・スカスカで使えないという失敗になります。

内径と長さの測り方

国産バイクのハンドルバーは一般にφ22.2mm、ハーレーなどのクルーザーはφ25.4mmが使われています。そして重要なのが、左側はハンドルバーに直接、右側は樹脂のスロットルパイプの上に付くため、左右で内径が違うことです。市販のグリップが左右で径の違うセットになっているのはこのためです。

全長は、今付いているグリップをメジャーで実測します。120mm・125mm・130mmなど製品によって長さが分かれているので、現状と同じか近いものを選ぶとハンドル周りのスイッチ類と干渉しにくくなります。デイトナなどのメーカー公式サイトでは、内径・全長・貫通の有無で絞り込んで探せます(デイトナ公式:グリップカテゴリ)。車種により例外的な径もあるため、数値を思い込みで決めず必ず実測してください。

貫通式と非貫通式の違い

バーエンド(グリップエンド)が付いている車両なら貫通式、付いていないなら非貫通式が基本です。「どちらか分からない」という方は、ハンドルの端に金属の重りやキャップがねじ留めされていれば貫通式が必要と考えましょう。

交換用バイクグリップ(φ22.2対応)

交換用バイクグリップ(φ22.2対応)

楽天 参考価格 ¥3,924 ※変動します

グリップ交換に必要な道具(グリップボンド・パーツクリーナー)

必要な道具は少なく、カッター・パーツクリーナー・グリップボンド(または交換セット)・バーエンド用の六角レンチかドライバーがあれば足ります。専用工具が不要なので、初心者の入門作業として向いています。

用意するもの

交換用グリップ(左右セット)

交換用グリップ(左右セット)

1セット

楽天 ¥3,924〜
グリップボンド

グリップボンド

1本

楽天 ¥441〜
パーツクリーナー

パーツクリーナー

1本

楽天 ¥410〜
カッターナイフ

カッターナイフ

1本

楽天 ¥436〜
六角レンチ(バーエンド用)

六角レンチ(バーエンド用)

1セット

楽天 ¥2,772〜
ウエス(布)

ウエス(布)

数枚

楽天 ¥341〜

「家庭用の接着剤で代用できるのでは」と考える方もいるかもしれません。ですが、ゴム対応でない接着剤は保持力や耐久性に不安が残ります。グリップ専用のボンドは数百円程度からと安いので、代用せず専用品を使うのがおすすめです。

古いグリップの外し方(カッターで切る・パーツクリーナー・エアー)

作業前の3点確認

  • 平地で安定した場所か:サイドスタンドが沈まない硬い平地で、車体が安定していることを確認しましょう。
  • エンジン・マフラーは冷えているか:ハンドル周りの作業でも、かがんだ拍子にマフラーへ触れると火傷します。冷間で作業してください。
  • 火気なし・換気は十分か:パーツクリーナーは引火性です。火気のない換気のよい場所で使い、スイッチボックスなど電装部品に大量に噴霧しないでください。

結論として、古いグリップを再利用しないなら、カッターで縦に切り開くのが最速で確実です。ゴムに刃を入れて端から端まで切れば、あとは手でめくるだけで外れます。

一方で「切らずに外して再利用したい」という方には、隙間に細いドライバーなどを差し込んでパーツクリーナーを流し込み、ねじりながら抜く方法、エアーコンプレッサーで空気を吹き込んで浮かせる方法、針金や結束バンドに潤滑剤を付けて一周させ接着を剥がす方法があります。方法ごとの違いを整理すると次のとおりです。

比較項目 再利用可否 必要な道具 難易度
カッターで切る 不可(廃棄前提) カッターのみ 低(最速・確実)
パーツクリーナー流し込み 可(緩む場合あり) 細いドライバー+クリーナー
エアーで浮かせる エアーコンプレッサー 中(機材が必要)
針金・結束バンド+潤滑剤 針金か結束バンド+潤滑剤 中〜高(根気が必要)

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ただし、切らずに外した場合でも、ゴムが伸びたりパーツクリーナーで膨潤したりして、再装着時の接着が甘くなることがあります。再利用はあくまで応急的と考えるのが無難です。

グリップが外れたら、ハンドルバー側に残った古い接着剤をパーツクリーナーとウエスで完全に落とします。このとき、バーにサビが出ていないかも確認しておきましょう。サビを見つけた場合の対処はバイクのサビの落とし方で詳しく解説しています。

スロットル側(アクセル側)の交換はここに注意

グリップ交換で唯一、安全に直結するのが右側=スロットル側です。結論として、右グリップはハンドルバーに直接ではなく、樹脂のスロットルパイプ(スロットルコーン)の上に被さっているため、左と同じ感覚で作業してはいけません。

カッターで深く刃を入れると、グリップと一緒に樹脂パイプまで切ってしまいます。刃は浅く、ゴムの厚み分だけ切るイメージで進めましょう。もしパイプを傷つけてしまったら、スロットルパイプ自体は数百円程度からの部品なので、無理に使わず交換を検討してください。

また、接着剤の扱いにも注意が必要です。ボンドがスロットルパイプとハンドルバーの間に垂れて固まると、スロットルが引っかかって戻らなくなるおそれがあります。接着剤はパイプの外周にだけ薄く塗るのが鉄則です。

スロットルの戻り確認は絶対に省かない

接着剤の垂れ込みやパイプの変形があると、スロットルの戻りが悪くなり、意図しない加速につながります。取り付け後は、ハンドルを左右にフルロックさせた状態も含めて、スロットルを開けて手を離し、パチンと自然に戻るか必ず確認してください。少しでも戻りが渋いと感じたら、そのまま乗らずにバイク用品店・整備店で点検を受けましょう。

「自分のバイクにも当てはまるのか」と不安な方もいるかもしれません。社外のハイスロットルを組んでいる車両や、グリップとパイプが一体成型のタイプ(主に原付スクーター)は、グリップ単品での交換ができない場合があります。作業前に現物を確認し、判断がつかなければ店舗に相談してください。グリップヒーター装着車も配線があるため本記事の手順の対象外です。

新しいグリップの入れ方|ボンドの要否と滑り込ませるコツ

取り付けの基本は、グリップボンドを併用して一気に差し込む方法です。乾き始めると動かなくなるため、位置調整まで含めて手早く行います。

コツは、押し込むときにグリップを少し回しながら中の空気を逃がすことです。空気が残ったまま無理に叩き込むと、途中で止まったりゴムを傷めたりします。入りにくいときは、ボンドが潤滑代わりになっているうちに一気に進めましょう。

グリップ交換にボンドは不要でも大丈夫?

「バイクのグリップ交換はボンド不要でもいける」という情報を見て迷っている方もいるはずです。結論としては、不要にできるケースはあるが、条件付きです。

内径がきつく嵌合がしっかり固い組み合わせや、両面テープと専用液剤で装着するタイプの交換セット、金属クランプでハンドルに固定するロックオン式グリップなら、ボンドなしでも成立します。たとえばデイトナのグリップ交換セット(テープ+液剤式)は、装着後約2分は位置調整ができると案内されており、税込2,200円です(2026年8月時点・デイトナ公式:グリップ交換セット)。価格や仕様は変わることがあるため、正確な情報は公式サイトをご確認ください。なお、このセットはホットグリップ(グリップヒーター)には非対応と公式に明記されています。

一方、通常のゴムグリップを何も付けずに素嵌めするのはおすすめしません。雨や汗、経年でズレや空転が起き、特にスロットル側で空転すると操作不能になり危険だからです。オフロード車の定番として、グリップの溝に針金を巻いて緩みを止めるワイヤリングという方法もあります。

比較項目 グリップボンド テープ式セット ロックオン式 素嵌め+ワイヤリング
固定力 高い 高い 高い(機械固定) ワイヤリング次第
位置のやり直し 乾く前のみ 約2分は調整可 何度でも可 随時可
次回の外しやすさ 切る前提になりやすい 比較的剥がしやすい ボルトを緩めるだけ 外しやすい
費用の傾向 数百円程度〜 セットで2,000円台〜 グリップ自体が高め 針金代のみ
向く人 確実に固定したい人 ボンドを使いたくない人 頻繁に交換する人 オフ車ユーザー

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迷ったら、接着剤を使うか、ボンド不要を前提に設計された製品を選ぶのが安全です。

デイトナ グリップ交換セット(テープ+液剤式)

デイトナ グリップ交換セット(テープ+液剤式)

楽天 参考価格 ¥2,400 ※変動します

グリップエンド(バーエンド)の外し方と付け方

貫通式グリップの車両では、先にバーエンドを外さないとグリップは抜けません。作業の順番として最初に確認しましょう。

多くのバーエンドは中央の六角ボルトやネジで留まっており、六角レンチかドライバーで外せます。ただし、緩み止めのネジロック剤が塗られていて固い個体も少なくありません。固いときは工具をしっかり奥まで掛けて回し、ボルトの頭を舐めそうだと感じたら無理をせず店舗に相談してください。舐めてしまうと取り外しの難易度が一気に上がります。

ひとことメモ

「非貫通グリップを買ったけれどバーエンドを付けたい」という場合、端の部分を切り抜けば貫通として使える構造の製品もあります。ただし製品によって可否が違うため、加工前提で買うなら商品説明で対応を確認しておきましょう。逆にバーエンドを使わないなら、最初から非貫通式を選ぶほうがきれいに仕上がります。

グリップ交換を自分でやる場合と工賃の比較(費用早見)

最後に、自分でやる場合とバイク用品店に頼む場合の費用を比べてみましょう。結論として、DIYなら部品代のみの3,000円前後、店に頼むと部品代に加えて工賃数千円が目安です。

工賃の例は2りんかん公式の交換作業工賃表によるもので、グリップ交換2,800円・持ち込み5,600円、グリップエンド交換1,800円、アクセルホルダー加工が必要な場合は+1,800円(いずれも税込・2026年8月時点)と案内されています(2りんかん公式:交換作業工賃)。料金は店舗や時期で変わるため、依頼前に公式の工賃表と店舗で確認してください。

「部品代より工賃のほうが高いのでは」と感じる方もいるかもしれません。たしかに持ち込みだと工賃が倍額になる店舗が多いため、店に頼むならその店でグリップを買ってそのまま取り付けてもらうのが総額を抑えるコツです。逆にスロットル側の作業に不安がある方、ハイスロやグリップヒーター装着車の方は、最初から店に任せるほうが確実で安心です。ほかにどんな作業を自分でできるか知りたい方は、初心者が自分でできるメンテ一覧も参考にしてください。

まとめ

グリップ交換は、道具が少なく初心者でも挑戦しやすい作業です。最後に大事な3点をおさらいします。

まず、買う前に内径(22.2mm/25.4mm)・全長・貫通か非貫通かの3点を現車で確認すること。次に、古いグリップは再利用しないならカッターで縦に切るのが最速で、バーに残った接着剤はパーツクリーナーで完全に落とすこと。そして何より、スロットル側の戻り確認だけは絶対に省かないこと。左右フルロックでスロットルがパチンと戻るのを確かめてから走り出してください。

グリップが新しくなると、握った瞬間の安心感が大きく変わります。ハンドル周り以外の基本メンテもまとめて見直したい方は、バイクメンテナンスの基本ガイドもあわせてどうぞ。

よくある質問

グリップ交換にボンドはいらない?

内径がきつく嵌合が固い場合や、テープと専用液剤で装着する交換セット、クランプで固定するロックオン式なら、ボンド不要でも成立します。ただし通常のゴムグリップをそのまま差し込むだけだと、雨や汗、経年でズレたり空転したりするリスクがあります。特にスロットル側の空転は操作不能につながり危険なので、接着剤を使うか、ボンド不要設計の製品を選ぶのがおすすめです。

グリップ交換の工賃はいくらですか?

バイク用品店で数千円程度が目安です。例として2りんかんの公式工賃表ではグリップ交換2,800円(持ち込みは5,600円・税込)と案内されています(2026年8月時点)。料金は店舗や時期によって変わるため、正確な金額は依頼する店舗の工賃表で確認してください。

古いグリップを切らずに外して再利用できますか?

可能です。細いドライバーなどで隙間を作ってパーツクリーナーを流し込む方法、エアーコンプレッサーで空気を吹き込んで浮かせる方法、針金や結束バンドに潤滑剤を付けて差し込み一周させる方法があります。ただし外す過程でゴムが伸びたり膨潤したりして、再装着時に緩くなることがある点は覚えておきましょう。

スロットル側(アクセル側)のグリップだけ交換できますか?

グリップ単体での交換が可能です。ただしグリップとスロットルパイプが一体成型になっているタイプ(主に原付スクーターなど)は、パイプごとの交換になります。作業後は、スロットルを開けて手を離したときに自然に戻るかの確認を必ず行ってください。

グリップの寿命は何年くらいですか?

年数だけでは決められません。保管環境で劣化スピードが大きく変わるためです。ベタつき、ひび割れ、表面パターンの摩耗といったサインが出たら交換時期と考えましょう。屋外保管や直射日光の当たる環境では劣化が早まります。