バイクのエンジンオイル量の点検方法|点検窓・レベルゲージの正しい見方と測り方

バイクのエンジンオイル量の点検方法|点検窓・レベルゲージの正しい見方と測り方

「エンジンオイルって、交換のことは聞くけど、量ってどうやって見るの?」「点検窓を覗いてもよくわからない…」。オイル量の点検は、数分でできる日常点検の基本です。

結論から言うと、バイクのオイル量は「点検窓」か「レベルゲージ(検油棒)」で見ます。暖機して止め、少し待ってから、車体を垂直に立てて見るのが基本です。測り方を間違えると、実際とは違う量を読んでしまいます。

この記事の要点

  • 点検方式は「点検窓」か「レベルゲージ(検油棒)」の2つ。自分の車種を確認
  • 正しく測る3条件は「暖機して止める・数分待つ・車体を垂直に」
  • 上限(アッパー)と下限(ロア)の間にあれば適正。下限に近ければ上限まで補給
  • 量だけでなく汚れや濁りも見る。著しい汚れ・濁りは早めに交換

エンジンオイル量点検は「点検窓」か「レベルゲージ」の2方式

フルカウルのバイクの下で、抜いたエンジンオイルを青いオイル受けで受けているところ
こちらはオイル交換で古いオイルを抜く作業。量の点検だけなら、オイルを抜かずに点検窓かゲージで見ます

バイクのオイル量の見方は、「点検窓で見る方式」と「フィラーキャップと一体のゲージで見る方式」の2つです(ヤマハ発動機)。

どちらかは車種で決まっています。エンジン側面に小さな透明の窓があれば、そこから油面を見ます。オイルの注入口のキャップに棒(ゲージ)が付いていれば、それを抜いて付いたオイルの位置を見ます。

たとえば、ホンダのタクトやスズキのアドレスV125Sなどのスクーターはゲージ式です。ヤマハのYZF-R25は点検窓式です(YZF-R25の取扱説明書)。

「うちの車種はどっち?」と迷ったら、取扱説明書を見るのが確実です。窓もゲージも見当たらない場合は、購入店に聞いてください。

正しく測る3条件|暖機・直立・時間を置く

作業前の3点確認

  • 平地で安定した場所に停め、車体が倒れないことを確認していますか
  • 暖機後のエンジン・マフラーは高温で、やけどのおそれがあります。高温部に触れないよう、手袋をしていますか
  • 暖機は風通しのよい屋外で。高温部にウエスなどの可燃物を触れさせず、補給に備えて火気を近づけない場所ですか

出典:タクトの取扱説明書(安全なメンテナンスのために)・アドレスV125Sの取扱説明書(排気ガスの注意)

オイル量を正しく測るには、「暖機してエンジンを止める・数分待つ・車体を垂直に立てる」の3条件を守ります。

冷えたままでは、正確な量が分かりません。ヤマハは、エンジンを3〜5分温めた後、さらに2〜3分置いてから量を見ます(ヤマハ発動機)。

カワサキの点検方法も、2〜3分のアイドリングで暖機してから見ます。走行直後で十分に暖まっていれば、アイドリングは要りません(カワサキ FAQ)。

暖機の時間は車種で違います。タクトは「冷えていれば3〜5分」、アドレスV125SとYZF-R25は「2〜3分」です。取扱説明書の指定に従ってください。

「サイドスタンドを立てたままなら手軽では?」と思うかもしれませんが、ここが最大の落とし穴です。傾いているとオイル量が不正確になり、倒してしまう恐れもあります(ヤマハ発動機)。

センタースタンドが無い車種は、前後のタイヤを地面に着けたまま、車体を垂直に支えてもらって測ります(カワサキ FAQ)。

レベルゲージ(検油棒)の測り方|ねじ込む?ねじ込まない?

ゲージは、ねじ込まずに差し込んで量を見ます。タクト、アドレスV125S、ヤマハのフィラーキャップゲージは、どれも同じです。測り方は「①抜いて拭く→②差し込む→③もう一度抜いて読む」の3手順です。

レベルゲージの測り方

  • ① ゲージを抜き、付いたオイルを布できれいに拭き取る
  • ② 車体を垂直にして、ゲージをねじ込まずに差し込む
  • ③ もう一度抜き、付いたオイルが上限と下限の間にあるかを見る
  • 終わったらゲージを確実に取り付ける

手順はタクトとアドレスV125Sの取扱説明書のとおりです(タクトの取扱説明書・アドレスV125Sの取扱説明書)。

「ねじ込んで測ってもいいのでは?」と思うかもしれません。ゲージの刻みは、取扱説明書の差し方で読む前提です。指定と違う差し方では、正しい量が読めません。

ひとことメモ

拭き取ったウエスの色で、オイルの汚れ具合も見られます。交換直後のきれいなオイルを拭き取ったときの色を見ておくと、比べやすくなります(ヤマハ発動機)。

点検窓式の見方

点検窓式は、車体を垂直にした状態で窓を見ます。窓には上限(アッパーまたはフルレベル)と下限(ロアレベル)の線があり、その間に油面があれば適量です。

窓が汚れて見えにくいときは、拭いてから確認してください。

上限(アッパー)と下限(ロア)どこにあれば正常か

油面が上限(アッパー)と下限(ロア)の間にあれば問題ありません(カワサキ FAQ)。オイルは規定量より多くても少なくても、エンジンに悪影響を与えるからです(タクトの取扱説明書)。

オイルには「潤滑、冷却、密閉、清掃、防錆」の5つの役割があります(ヤマハ発動機)。量が適正でないと、この働きが崩れます。

油面 油面の位置 どうするか
不足 下限より下・下限に近い 今と同じオイルを上限まで補給
適正 上限と下限の間 そのままでよい
入れすぎ 上限より上 抜いて適正範囲に調整してから走る

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ホンダのタクトとスズキのアドレスV125Sの取扱説明書は、下限に近いときは上限まで補給するよう指示しています。上限を超えて補給しないことも、タクトの取扱説明書に書かれています。カワサキの点検方法では、上限を超えていればオイルを抜きます。

「少し多めのほうが安心では?」と考えがちですが、入れすぎは避けてください。余分なオイルは抵抗になるので、適正範囲に調整してから走ります(ワイズギア YAMALUBE Q&A)。

カワサキの点検方法

カワサキの点検方法は次のとおりです(カワサキ FAQ「エンジンオイルの量の点検方法」)。

  • 2〜3分のアイドリングで暖機する(走行直後で十分に暖まっていれば不要)
  • 前後のタイヤを接地して、車体を垂直に立てる
  • 点検窓のアッパーレベルとロアレベルの間に油面があれば問題なし
  • アッパーを超えていれば排出、ロア付近なら補給

量だけでなく色・汚れもチェック|交換サインの見分け

オイル量の点検ついでに、色と汚れも見ておくと、交換時期のサインに気づけます。色だけで決めず、交換時期(距離か期間)とあわせて判断します。

色・汚れの見方

  • 新品のエンジンオイルは琥珀色
  • 劣化すると黒く、ザラザラしてくる(燃えカスのカーボンスラッジがたまるため)
  • 汚れが著しいときは、定期交換の時期の前でも早めに交換
  • 薄茶色に濁っているときも、早めに交換(程度は販売店に相談)
  • 色だけで決めず、距離・期間とあわせて判断

新品のオイルは琥珀色です(ワイズギア)。劣化したオイルが黒くザラザラするのは、主にカーボンスラッジのためです。カーボンスラッジは、少しずつオイルの中にたまっていきます(ヤマハ発動機)。

「黒くなっていたらすぐ交換?」と思うかもしれません。黒さは目安の1つで、距離か期間が交換時期を過ぎているかとあわせて判断してください。

一方で、汚れが著しいときや薄茶色に濁っているときは、定期交換の時期の前でも早めに交換します(YZF-R25の取扱説明書)。

気温の低い季節は、エンジン内部の結露による水分でオイルが乳化することがあります。乳化したオイルは、十分に性能を発揮できません(ヤマハ発動機)。

安全の注意(必ず読んでください)

オイルが規定量より大幅に少ない、または多いときは、エンジンにトラブルが起きている可能性があります(ヤマハ発動機)。

濁っている、短期間で大きく減った、エンジンからオイルが漏れている。こうした異常があれば、自己判断で乗り続けず、早めに販売店や整備士に点検してもらってください。

どのくらいの頻度で点検する?交換との関係

オイルの量は日常点検の項目です(Honda公式:原付一種スクーターのオイル量)。日常点検は、使用状況に応じて自分で判断して行う点検で、ホンダは運転する前の日常点検を勧めています(タクトの取扱説明書)。

オイルは走行距離や走行状況、時間の経過とともに劣化し、減っていきます。そのため、交換だけでなく日常点検での点検と補給が必要です(同じ取扱説明書)。

ひとことメモ

乗る前の日常点検で量を見る習慣にし、ツーリングなど長距離を走る前にも確かめておくと安心です。タクトの取扱説明書は、長距離走行や洗車・給油のときなどを日常点検の目安に挙げています。

前回の点検からはっきり減っている場合は、漏れなどの異常がないか早めに確かめましょう。

「点検してれば交換はしなくていい?」というと、それは別の話です。量の点検は日常点検、オイル交換は劣化したオイルを入れ替える定期整備で、役割が違います。量が適正でも、劣化していれば交換が必要です。

交換の手順と規定量はバイクのオイル交換手順で、あわせて交換するオイルフィルターの交換で詳しく解説しています。

補給に使うオイルは、今入っているものと同じ銘柄・グレードにします。

ホンダのタクトとスズキのアドレスV125Sの取扱説明書は、銘柄やグレードの違うオイルを混用しないよう指示しています。粘度とJASO規格は、取扱説明書の指定に合わせてください(ワイズギア)。

オイル量点検でよくある失敗と注意点

オイル量点検の失敗は、ほとんどが次の4つです。

どれも読み間違いや故障につながるので、避けたいポイントです。

安全の注意(必ず読んでください)

  • サイドスタンドのまま測る:車体が傾いて量が不正確になる。必ず垂直に立てて測る。傾いた車体は倒れる恐れもある
  • 冷えたまま・止めた直後に測る:正確な量が分からない。暖機して止め、2〜3分待ってから測る
  • ゲージをねじ込んで測る:取扱説明書の指定どおり、ねじ込まずに差し込んで読む
  • 入れすぎを放置する:余分なオイルは抵抗になる。抜いて適正範囲に戻してから走る
  • 暖機後のエンジン・マフラーは高温で、やけどのおそれがある。手袋をして高温部に触れない
  • 濁り・急激な減り・オイル漏れは異常のサイン。自己判断で乗り続けず整備士へ
  • 補給は今と同じ銘柄・グレードのオイルで。銘柄やグレードの違うオイルを混ぜない

出典:タクトの取扱説明書(高温部・銘柄の混用)・ヤマハ発動機(傾き・暖機)

「少しくらい傾いていても大丈夫では?」と思いがちですが、傾いていると正しい量が読めません。面倒でも垂直に立ててから測るのが、結局いちばん正確で早道です。

拭き取りにはウエスがあると便利です。補給で少しずつ注ぐなら、注ぎ口付きのオイルジョッキがあると入れすぎを防ぎやすくなります。

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まとめ

あわせてバイクのオイル交換手順や初心者のバイクメンテ基本も読んでおくと、自分でできるお手入れの幅が広がります。

よくある質問

サイドスタンドを立てたままオイル量を点検してもいいですか?

おすすめしません。車体が傾いていると、オイル量を正しく読めないうえ、倒してしまう恐れもあります。センタースタンド(メインスタンド)で車体を垂直に立てて点検してください。スタンドの無い車種は、前後のタイヤを地面に着けたまま、車体を垂直に起こして支えた状態で見ます。

レベルゲージ(検油棒)はねじ込んで測りますか、差すだけですか?

ホンダのタクト、スズキのアドレスV125S、ヤマハのフィラーキャップゲージは、どれも「ねじ込まずに差し込む」方式で測ります。ゲージを拭いてから差し込み、抜いて、付いたオイルの位置を見ます。差し方は車種の取扱説明書の指定に従ってください。

オイル量はエンジンが冷えているときと暖機後、どちらで測りますか?

暖機してからです。2〜3分ほどアイドリングしてエンジンを止め、2〜3分待ってから測ります(走行直後で十分に暖まっていれば、アイドリングは不要です)。冷えたままや止めた直後では、正確な量が分かりません。暖機の時間は車種で違うので、取扱説明書の指定に従ってください。

オイルが黒くなっていたら量が足りていても交換すべきですか?

色は目安の1つです。劣化したオイルが黒くザラザラしてくるのは、燃えカスのカーボンスラッジが少しずつたまるためです。汚れが著しいときや薄茶色に濁っているときは、定期交換の時期の前でも早めに交換します。量が適正でも、距離か期間が交換時期を過ぎていれば交換してください。

点検で下限(ロア)を割っていました。どうすればいいですか?

今と同じ銘柄・グレードのオイルを、ゲージや点検窓で確かめながら少しずつ補給し、上限を超えないところまで戻します。前回の点検から大幅に減っている場合は、エンジンにトラブルが起きている可能性があります。販売店や整備士に点検してもらってください。

オイルを入れすぎてしまいました。そのままでも大丈夫ですか?

そのまま走らないでください。オイルは規定量より多くても少なくても、エンジンに悪影響を与えます。余分なオイルは抵抗にもなるので、抜いて適正範囲に調整してから走ります。自分で抜くのが難しい場合は、販売店や整備士に相談してください。